システム建築のススメ
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システム建築とは?
3つのキーワードで学ぶ
特長とメリット
3つのキーワードで
システム建築を学ぶ
工場や倉庫等の大型の建物を建てようとしたときに、候補に挙がる「システム建築」。どうやら通常よりコストを抑えられそうだけど、一般的な建物とは具体的にどう違うのか、疑問をお持ちの方も多いでしょう。そこで、システム建築の特長を表す3つのキーワードから、どのようなメリットがあるのか紐解いていきます。
キーワードである「標準化」、「短工期」、「人手不足」についてご紹介していきます。
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「標準化」された建材と工法
まず一つめのキーワードである「標準化」は、システム建築の特長を最も端的に表す言葉です。ちなみに標準化を辞書で調べると、「製品やサービスの品質・性能・安全性・互換性の確保、利便性の向上、試験・評価方法の統一などを目的として、統一された規格をつくる過程をいう。」と説明されています。つまり、誰でも一定の品質の製品やサービスを生み出すことができるように、基準を統一するという意味です。
一方、従来の建築においては設計や部材は全てオーダーメイドであり、いわば標準化とは真逆の作り方が一般的でした。建物ごとに一から設計し、それに合わせた部材を発注するため、コストも工期も膨大です。そこで、もっと低コストで早く建てたいという要望に応えて生まれたのが「システム建築」です。
システム建築における標準化とは、建物の設計から施工に至るまで、全てコンピューターによりシステム化されているということを表します。さらに、建築部材についてもシステム化されているため、建物に合わせて発注する手間が省けることに加え、建築現場で部材を加工する手間が少なく、ほぼ組み立てるだけでよいというメリットがあるのです。
そこで気になるのが、プレハブ建築との違いです。プレハブも規格化された部材を工場で製造し、現場では組み立てるだけなので、その点はシステム建築と同じです。ただし、プレハブは耐久性を保つための柱が必要となるため、システム建築のような大空間を生み出すことはできません。耐用年数も、一般的にシステム建築のほうが長いとされています。このため、より頑丈で大空間を要する建物を建てたい場合は、システム建築が適しています。 -
「短工期」はすべての施主の願い
二つ目のキーワードは「短工期」。店舗にしろ倉庫にしろ、ビジネスを成長させるためにはまず建物がなければ始まりません。時代とともにますます加速するビジネス環境の変化に対応するために、建築においてもスピードが重視されるようになりました。
そんな時代の要請に応えるのがシステム建築です。従来工法より工期を短縮できる秘密は、見積や設計などの「着工までの対応の早さ」と、「システム化された施工の早さ」にあります。まず、従来工法の設計はオーダーメイドなので非常に時間がかかりますが、システム建築では設計もコンピューターにより標準化されているため、検討事項が少なく済み、工期短縮に貢献しています。さらに、管轄の市や都道府県に建築確認申請を行う際にも、従来工法では基本設計着手から建築確認の承認が下りるまで約1年はかかりますが、システム建築ではこの期間も短縮可能。スピード感が重視されるビジネスにおいては、大きなメリットとなります。また、施工においてもシステムにより簡略化されているため、従来工法に比べ効率的に作業が可能です。
このように、着工前・着工後の各工程が標準化されていることにより、全体的に大幅な工期短縮を実現しているのです。 -
「人手不足」を解消する
サステナブルな建築最後は「人手不足」の解消です。2021年の東京オリンピックを始め、建築業界は活況である一方、実は深刻な人手不足が問題視されています。建築業の就業者の高齢化が進み、2025年には建築業の人材が90万人も不足する見込みと言われているのです。現時点ですでに、人手不足により計画通りに施工されていない建築現場は少なくありません。
昨今は世界全体でサステナビリティが叫ばれるなか、建築業においても持続可能な業態へとシフトすることが求められています。もちろん人材を増やす努力も必要ですが、工程を効率化し、これまでより少ない時間や人数でも建築を可能とする仕組みへと変化することも不可欠でしょう。
そんな中で、システム建築は時代に合ったサステナブルな方法と言えます。これまでご紹介した通り、建築に必要な部材と工程を標準化することで、現場の職人の数を減らせるだけでなく、熟練の職人でなくとも組み立てが可能になりました。短工期なので、効率よく人材を送ることもできるでしょう。生産性が高いため、それをうまくアピールすることで新たな人材を確保するきっかけになるかもしれません。
つまり、システム建築が選ばれることが増えれば、建築業界の課題を解決することにもつながります。この意味でも、業界内外からシステム建築は注目されているのです。
以上のように、システム建築は標準化による短工期や低コストを実現しながら大空間を実現する建物として信頼いただいています。 さらに今後は社会的な課題への解決につながる手法としても期待されているため、これから建物を建てる予定の方は、ぜひシステム建築をご検討ください。
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