システム建築のススメ
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- 考察その8
システム建築の「システム」とは?
各システムを詳しく紹介
大型の建物を低コスト・短工期で建てられることで、近年選ばれることが多くなったシステム建築。従来工法がオーダーメイドであるのに対し、システム建築は「システム」によって標準化されているのがその最大の特徴です。ではこの「システム」とは、一体どのようなものなのでしょうか。この記事では、システム建築の各システムについて、詳しくご紹介していきます。
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システム建築の最大の特徴である
「標準化」システム建築は設計や製造を標準化することにより、在来工法に比べて低コストかつ短工期で建物を建てられるのが最大の特徴です。標準化とは、オーダーメイドの設計施工に対し、すでにある規格の中から選択することで効率的に建てることを意味します。近年の建物の大型化のニーズにも対応できるため、倉庫や工場といった用途が限定的で大空間を必要とするような建物に適した工法と言えます。
一方、標準化されていることによって、建物のデザイン面における自由度が低いのがデメリットと言えますが、建物の基本的な機能に加えて凝ったデザインを希望する場合は、従来のオーダーメイドの在来工法が適しているでしょう。 -
JFEシビルのシステム建築における
各システムシステム建築が標準化された工法であるという点はどの建築メーカーでも共通していますが、個別の技術は各社で異なります。基礎から屋根までそれぞれ「システム」があるため、ここではシステム建築の「システム」とは具体的にどのようなものかを知るために、JFEシビルのメタルビル建築を例にご説明します。
メタルビル建築の各システム
JFEシビルのメタルビル建築は、1970年にアメリカから導入された日本初のシステム建築です。母体であるJFEの鉄鋼関連事業で培った高度な技術力をベースに、多くのお客様から選ばれてきた工法で、基礎システム、構造システム、屋根システム、壁システムの4つのシステムがあります。
●基礎システム メタルビル建築の基礎システムは「いちいち基礎工法」といった独自工法を採用しています。杭を打ち込む必要がある軟弱な地盤に、キャップ鋼管付きの柱を杭に被せ、柱と杭を⼀体化する工法です。⼟台であるフーチングや地中梁を削減できるなど、在来⼯法に⽐べて少ない⼿間と⼈員で基礎⼯事が完了できるため、コスト削減に貢献するとともに、建築業界の深刻な⼈⼿不⾜問題の解決に有効な⼿段となる画期的なシステムです。
●構造システム メタルビルの構造システムは、自由度の高い独自のフレーム接合形式を採用し、軽量で耐震性能に優れたシステム。建物の幅や奥行は300mmのモジュールとなっているため、用途やレイアウトに合わせたフレキシブルな構造が可能。高さも1mm単位で設定できます。中規模から大規模に最適なシステムです。
●屋根システム 屋根システムは、先進システムである「Kルーフ21シリーズ」と、低コストながら強風や豪雨に強い「KBルーフシリーズ」から選択が可能。「Kルーフ21シリーズ」は工場でハゼ加工されたものを現場で重ね、ルーフランナー(電動走行工具)でハゼを折ることで特殊な二重ハゼ構造にし、雨漏りを防止します。さらに浮き屋根工法で温度変化による屋根の伸縮を吸収するため、長寿命を実現します。「KBルーフシリーズ」は、屋根上にボルト頭の出ない、ボルトレス折版工法を採用。軽量かつ経済的でありながら、水密性に優れた屋根パネルです。
●壁システム メタルビルの壁システムは、軽量で施工性の高い「KBヴァンドシリーズ」、使い勝手のよい「KBリブ」、遮熱・遮音性に優れた「KBパネルシリーズ」の3つから選択できます。
「KBヴァンドシリーズ」と「KBパネルシリーズ」は、外壁材の高い断熱性能により、夏は涼しく、冬の底冷えも抑えます。工場・倉庫では製品や原材料の熱による品質低下を防止し、店舗や事務所には快適な環境を届けます。●カラーバリエーション メタルビルの各システムの色味は、いくつかのカラーバリエーションから選択できます。屋根は全て統一されていて、外側はガルバリウム鋼板素地、室内側は断熱マット不織布のホワイトとなっています。また、壁システムはホワイトやシルバーなど標準色4~5色から、アクセントカラーは3色から選べます。コーポレートカラーやお好みの色がある場合には、納期は掛かりますが特注色も選択可能です。
以上のように、システム化された建築のパッケージのなかから選択することで、効率的に建設が可能となるのがシステム建築です。それぞれのシステムで用いられる技術は各メーカーによって異なるため、ご希望に合わせて比較してみるとよいでしょう。
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様々な用途で活躍する
システム建築の建物一般的にシステム建築は大型の工場や倉庫に採用されるケースが多いのですが、近年のシステム建築の技術の進歩により、様々な用途の建物に拡大しています。例えばご紹介したメタルビルでは、店舗や事務所、スポーツ施設など多様な事例があります。こちらの事例紹介でも一部ご紹介していますので、システム建築をご検討の場合はぜひご参考にしてください。
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