システム建築のススメ
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材料費高騰。
倉庫を安く建てたい企業が注目する
システム建築とは
物流量の増加に比例して、ニーズが高まっている大型倉庫。事業を成長させるためにも、用途に適した倉庫を効率的に建てたいですよね。一方で、問題となるのが材料費の高騰です。初期費用はもちろん、維持費も含めて低コストで倉庫を建てたい企業がいま注目する、システム建築という工法をご紹介しながら、倉庫を建てる際に検討すべき項目などを解説していきます。
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建てる前に知りたい倉庫の種類
倉庫といってもさまざまな種類があるため、まずはどのような倉庫を建てるのかを決定する必要があります。事業のための営業倉庫には、大きく分けて普通倉庫、冷蔵倉庫、水面倉庫といった3つの種類があり、最も一般的な普通倉庫は食品から天然ガスまで幅広く保管できる倉庫です。冷蔵倉庫は冷凍食品などを保管するため、常に10℃以下の温度をキープできるような設備が必要となります。水面倉庫は特殊な倉庫で、原木などを海や川といった水上で保管するための施設で、「水面貯木庫」とも呼ばれます。
さらに普通倉庫は用途によって細かく種類が分かれており、それぞれ求められる条件が決まっています。これから建てる倉庫の用途によって、どの種類に該当するのかを確認しておきましょう。1~3類倉庫 最もポピュラーな建屋型の倉庫。設備や構造によって以下の3種類に分かれる。
●1類倉庫:
防湿、耐火、防火などの性能において最も厳しい基準を満たした倉庫。多くの物品を保管可能。
●2類倉庫:
耐火性能や防火性能がないため、燃えやすい物品が保管できない倉庫。
●3類倉庫:
耐火性能、防火性能、防湿性能、防水性能、遮熱措置などがないため、湿気に耐性がある物品が保管可能。貯蔵槽倉庫
(サイロ/タンク)袋やケースなどに入っていない穀物や液状の物質を保管するための倉庫で、主に小麦、大麦、トウモロコシ、糖蜜などが保管されることが多い。建物全体が金属板やコンクリートに覆われて密閉されていることや、防火性能・防水性能、消火設備の設置などが条件として定められている。 野積倉庫 屋外に設置される倉庫で、建物ではなく柵や塀で囲まれた設備。建築資材や鉄スクラップといった、風雨や日光にさらされても問題のない物品が保管される。 危険品倉庫 天然ガスなどの危険物を保管するための倉庫。そのため、非常に厳しい設備基準が条件として求められる。 -
倉庫を建てる時に整理すべき
5つのポイント倉庫を建てる計画段階では、まずは建設会社へ相談する方が多いのではないでしょうか。その際、打合せがスムーズに進むためにも、最低限こちらの5つのポイントを整理しておくとよいでしょう。
①用途
最も重要なのが、どのような目的で倉庫を建てるのかを明確にしておくことです。どのような種類の物品を、どのくらいの量で保管するのか、どのようなレイアウトでどのように運営されるのかなど、できるだけ細かく具体的に洗い出すことが先決です。その際、それらの項目のなかで、絶対に必要なもの、あったらベターなものなど、優先順位をつけていくとよいでしょう。また、現在の目的だけでなく、将来的な資産活用なども踏まえておくと、事業変化に対応できる建物になるでしょう。
これらをベースに建物の性能が決まり、さらにコスト、スケジュールが算出されます。②予算
倉庫建築のコストが実際どれくらいかかるのかは、用途によって大きく異なるため、予算を組むのは難しいかもしれません。経営計画や事業収支を踏まえ、おおよその上限を決めて建設会社等に相談しながら予算を組むとよいでしょう。
③スケジュール
新しく建てる倉庫が事業のなかでどのような役割を担うのかによって、完成時期を設定します。なお、工期は建築工法やメーカーによって大きく異なるため、依頼先を選定する過程で比較検討していく必要があります。
④面積
すでに建設予定の土地があるか否かでも異なりますが、建屋面積の規模を決めておくことも重要です。現在想定している規模にするのか、将来的に事業変更があることを踏まえて余裕のあるサイズにするのかなど、経営計画に沿った検討が必要となります。
⑤階数
平屋か2階建てかによっても、予算やコストが大きく変わるため、決めておく必要があります。2階建ての場合は敷地を有効活用できますが、階段やエレベーター等のスペースを確保する必要があります。また、2階に搬入する物の重量によって1階の柱も増え使い勝手が制限されることもあり全体の建設コストにも少なからず影響するため、建設後の具体的な使い方を想定しておきましょう。
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倉庫を建てるのに
システム建築が選ばれる理由建設会社に相談する際、希望に合わせていくつかの建築工法が提案されます。用途によって異なりますが、一般的には以下の4つの工法が提案されることが多いでしょう。
<従来工法>
オーダーメイドの工法で、お客様の希望に合わせて細かく調整が可能。デザイン性にこだわりたい場合は従来工法が適していると言えます。オーダーメイドで自由度が高い分、比較的コストや工期がかかります。
<膜屋根工法(テント)>
組み立てた鉄骨の外側にシート膜を張った倉庫なので、最も低コスト・短期間で建てられます。夏は暑く冬は寒くなるため、寒暖差の影響を受けにくい物品の保管に適しています。また、建物の供用期間の長期化には膜材料の種類に応じた時期での張替えが必要になります。
<プレハブ>
建築部品を工場で製造し、それらを建築現場で組み立てるのがプレハブ工法。このため、低コストかつ短工期で建設できるのがメリットです。
<システム建築>
設計から部材の製造まで標準化されているのがシステム建築です。標準化された選択肢から希望に沿って選択することにより、従来工法よりコストダウンでき、工期も短くなります。また、柱の少ない大空間を創出できるのが最も大きなメリットです。耐用年数も長いため、ランニングコストの面でも優位性があります。
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システム建築で倉庫を建てるなら
見積もりシミュレーターで概算を以上のように、倉庫を建てるためには、用途や希望に合わせた様々な工法があります。大空間の倉庫を建てたい、低コスト・短工期で倉庫を建てたいという方は、まずはシステム建築の予算規模を把握するために、こちらの「見積もりシミュレーター」で概算を出してみるのをおすすめします。詳細な予算は細かい条件を踏まえて算出する必要がありますが、ざっくりとしたシステム建築の予算イメージを描くためのヒントになるはずです。
建物の計画などありましたら、
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