システム建築のススメ
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- 考察その11
大型工場の
建設・建築費用はどれくらい?
システム建築でシミュレーション
製造業にはなくてはならない工場。新たに建設する場合、最も気になるのが建築費用です。工場建設の費用の算出には様々な要素が関係しますが、ここでは参考として、大型の工場をシステム建築で建設した場合の費用をご紹介します。
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工場の建設費用には耐用年数が重要
工場建設の費用において、耐用年数は非常に重要なポイントです。なぜならどれだけの期間で減価償却するかによって、資産としての工場の価値に影響するためです。建設費用の予算を決める際には、この耐用年数を必ず押さえておく必要があります。
工場には国で定められた「法定耐用年数」があり、構造・用途や材質によって細かく決まっています。ここでは工場の構造・用途別の耐用年数をご紹介します。<工場(一般用)の耐用年数>
構造・用途 耐用年数 鉄骨造(金属造) 骨格材の肉厚が
・4㎜を超えるもの:31年
・3㎜を超え、4㎜以下のもの:24年
・3㎜以下のもの:17年木造
合成樹脂造15年 木造モルタル造 14年 鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造38年 れんが造
石造
ブロック造34年 なお、上記は減価償却のための法定耐⽤年数ですので、実際の耐⽤年数とは異なります。
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鉄骨造と木造の工場の坪単価
多くの工場で採用されるのが鉄骨造と木造です。ここではそれぞれの特徴と、工場建設の際の坪単価をご紹介します。なお、坪単価は全国平均の数値であるため、都道府県やエリアによって大きく差が出ることを前提に、参考にしてみてください。
※国土交通省 2022年 建築着工統計調査より算出鉄骨造の工場 工場建設で最も採用されるのが鉄骨造で、工場全体の84%を占めています(2022年度)。鉄骨造は木造に比べて耐久性や耐火性に優れているうえ、鉄筋コンクリート造などと比べて短工期・低コストで建設できるのがメリット。柱や壁を少なくできることから大空間を創出できるため、大型工場をご希望の場合に適しています。
全国平均の坪単価は約82万円となっています。木造の工場 工場建設で鉄骨造に次いで多いのが木造です。鉄骨造より短工期・低コストで建設できることや、ランニングコストが比較的抑えられるのがメリット。ただ、大空間の確保は難しいため、小規模な工場に向いている構造です。
全国平均の坪単価は約56万円となっています。 -
工場建設の費用に影響する建築工法
工場建設のための費用として、建築自体の坪単価以外にも様々な要素が関係します。なかでも費用に大きく関わるのが建築工法。どの工法が適しているのかを把握するには、工場の具体的な活用方法を想定しておく必要があります。
まず、工場内にどのような設備や機械を導入するかを決めます。大型の機械の場合、建物の高さの決定にも影響します。また、製造のための空間を広く取りたい場合、柱の位置に影響するため、どのようなスペースを確保したいのかも明確にする必要があります。天井クレーンのような大型設備を導入するか否かも重要なポイントです。
さらに工場のレイアウトを考えるには、工場内でのフォークリフトの使用、搬出入の導線、荷積み方法なども考慮したいところ。製造する商品や原材料の性質上、温度や湿度管理をするか否かも重要です。工場建設のためには、いかに具体的に運用方法を想定できるかがカギになるのです。
工場建設の工法として、一般的に選ばれるのがオーダーメイドの在来工法、システム建築、プレハブ工法です。それぞれの特徴を踏まえ、用途に適したものを選ぶとよいでしょう。<在来工法>
オーダーメイドの建築なので、設計から建設まで細かい希望を反映できます。自由度が高いため、デザイン面でもこだわりを実現。耐久性や耐火性といった性能のレベルも希望に合わせられます。オーダーメイドで自由度が高い分、比較的コストや工期がかかります。
<システム建築>
オーダーメイドに比べ、設計から部材の製造まで標準化されているのがシステム建築。標準化された選択肢から希望に沿って選択することにより、在来工法よりコストダウンできる可能性があり、工期も短くできる可能性があります。また、柱の少ない大空間を創出できるのが最も大きなメリット。耐用年数も長いため、ランニングコストの面でも優位性があります。
<プレハブ>
建築部品を工場で製造し、それらを建設現場で組み立てるのがプレハブ工法。このため、低コストかつ短工期で建設できるのがメリットです。一方、既製品であるため自由度が低いので、柱の少ない大空間向きではありません。
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大型工場の建設にはシステム建築
以上のように、工場を建てるためには、用途や希望に合わせた様々な工法があります。なかでも大空間の工場を建てたい、低コスト・短工期で工場を建てたい場合はシステム建築がおすすめです。まずはシステム建築の予算規模を把握するために、「見積もりシミュレーター」で概算を出してみましょう。詳細な予算は細かい条件を踏まえて算出する必要がありますが、ざっくりとしたシステム建築の予算イメージを描くためのヒントになるはずです。
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